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ナマズ釣りとアンバサダーと小指の怪我【リールコラム】

リールについて

お年玉で買ったミリオネア

子供の頃に大好きだった漫画、「釣りキチ三平」に出てくるルアーフィッシングの回で使っていたベイトキャスティングリールに憧れて、小学生の頃にお年玉をためて買った初めてのベイトリールが、ダイワのミリオネアGS3000でした。

それまでにも、色々な餌釣りでスピニングリールは使っていましたが、ベイトリールはこれが初めてで、持っているだけで本当に嬉しかったのを覚えています。

当時はルアーフィッシングの情報も少なく、リールやルアーなどの正しい使い方もよくわからないまま、フジグリップの安いグラスロッドにミリオネアをつけて、近所の野池や川でやみくもにルアーを投げていました。

当然、魚も全く釣れず、いつの間にかあまり釣りに行くこともなくなってしまいました。

もう一度ルアーフィッシングを再開するのは大人になってからでした。当時は、バスフィッシングブーム前夜の時期で、テレビや雑誌などでも紹介されるようになってきていました。

それ以前には幻の魚だったブラックバスが近所でも釣れるようになり、完全にバスフィッシングに夢中になりました。

はじめの数年は、様々なタックルやリグを状況に合わせて使いこなすことに集中していましたが、段々と、トップウォーターの釣りに惹かれていきます。

フェンウィックやスーパーストライクなどのグラスロッドにチャンピオングリップ、リールはアンバサダーの5500C、4600Cなどをあわせ、ラインはストレーン、ルアーはヘドンを中心にしたアメリカンルアーに、バルサ50やハトリーズなどなど…

陸っぱりでもボートでも、とにかく5/8オンス前後のトップウォータールアーを投げ続けていました。

当時はプレッシャーも少なく、どんなポイントでも、レッドヘッドのオリジナルザラスプークを投げれば、かなりの確率でバスが釣れました。

ナマズ釣りに出会う

その後、生活の変化などもあって、バス釣りをやめて数十年がたったころ、ひょんなことからナマズ釣りに出会います。

本当に久しぶりにルアーフィッシングをやりたいと思ったのですが、当時のタックルはほとんど整理してしまい、何も残っていません。

そういえば、当時はほとんど使っていなかったダイワのミリオネアと、シェイクスピアの古いグラスロッドが物置にあったような気がして探してみると、綺麗な状態で残っていました。

プラノの古いタックルボックスも出てきましたが、中には何も入っていませんでした。

とりあえず、ミリオネア3Hに14ポンドのナイロンラインを巻き、ジッターバグを2つ買って、ナマズがよく釣れるという近所の用水路に行ってみました。

またいつか、ルアーフィッシングをやることがあったら、絶対に、昔大好きだったグラスロッドやアブの丸型リールを使って釣りがしたいと思っていたので、久しぶりに感じるずっしりとしたオールドタックルの重さも心地よく感じます。

結局その日はナマズは釣れませんでしたが、キャストのフィーリングや、ジッターバグのカポカポとした音などに、完全に昔を思いだして楽しい気分になっていました。

ただ、その日の夜になって気がついたのですが、左手の小指がズキズキと痛いのです。

私は子供の頃に、転んで左手の小指を突き指してしまい、それ以来、力を入れて何かを握ったりすると、軽い痛みとしびれが出るようになってしまいました。

それでも、若い頃はそれほどの痛みはなかったのですが、段々と年を取るごとに痛みも大きくなり、本当に久しぶりにロッドを握って釣りをしてみたら、思った以上に痛みがでてしまいました。

それから、軽いグラスコンポジットのロッドを使ってみたり、小さめの丸型リールを試してみたりしたのですが、そもそも左手でロッドをホールドしたり、アクションをつけたりするのが無理だということに気が付きます。

せっかくルアーフィッシングを再開して楽しい気分でいたのに、古傷のせいで十分に楽しめないことにがっかりしてしまいました。

ベイトは右巻きスピニングは左巻き

釣りを始めたばかりの子供の頃から、ベイトリールは右巻き、スピニングリールは左巻きで使っていました。

特にベイトリールは、当時は右巻きのものしかなかったので、当たり前のように右巻きで使っていたし、それ以降もずっと右巻きしか使ったことがありませんでした。

ただ、今回ばかりは、左手でロッドを持っていられないのなら、右手でロッドを持つしかありません。そうすると、必然的に左ハンドルのリールを使うしか方法がないことに気がつきました。

それならば、小型で軽量なアブの2500Cの左ハンドルの中古とかはないものかとネットで探してみたところ、最近はベイトフィネスタックルでよく使われることもあってか、とんでもない高額で取引されていることを知ります。

そこで、大きさや形が似ていて安く手に入る、シマノのアクシス101というリールを中古で買ってみました。

実際に使ってみると、初めのうちは左手でまともにハンドルを回すことができずに苦労しましたが、しばらく使っているうちに、だんだんと左ハンドルに慣れてきます。

すると、左ハンドルのメリットがだんだんとわかってきました。とにかく使っていて手返しがいいのです。

キャストをして、ルアーが着水すると同時にハンドルを巻くことができるので、落ちパクにも対応しやすいし、ロッドを持ち変える必要がないため、ランガンしていてもリズム感がとても気持ちよく感じます。

ナマズ釣りをする上で、左ハンドルはとてもメリットが大きいということに気が付きました。

初めてのロープロリール

アクシス101を使ってみて、左ハンドルのメリットはわかったのですが、しばらく使っているうちに、左ハンドルならではのデメリットにも気がつきます。それは、ロッドの持ち替えをしないために、右手だけに負担がかかり続けるということでした。

通常、右ハンドルの場合、キャスト時は右手を中心にロッドをホールドし、リトリーブの時には左手でロッドを握っているため、力が左右の手に分散されるので、腕の疲れや手首の痛みなどが出にくいというメリットがあることがわかりました。

その点で、左ハンドルの場合、キャスト時もリトリーブ時もずっと右手だけでロッドを持っているので、パーミングしている手のひらや、腕全体が早めに疲れてくるというデメリットを発見しました。

そこで、それまで一度も使ったことがなかったロープロのリールを使えば腕の負担が減るのではないかと思い、ロープロリールを試してみることにします。

でも、昔から丸型のクラシカルなリールが好きで、ロープロには抵抗感があったため、現代的なプラスチック感のある超小型のリールではなく、まだどこかに丸型リールの面影を残しているシマノのメタニウムMGを買ってみました。

使ってみた感想は、パーミングがとてもしやすく、長時間ロッドを握っていても手の疲れが軽減されているのがわかります。

ただ、メタニウムMGの場合、形は持ちやすいのですが、ロッドからの高さ方向の長さはかなりあるため、指で握り混むようにホールドするにはやや大きく感じてしまいます。

そこで、小型軽量でサイズ感が小さく、なおかつ使いやすくてデザインがいいリールはないかと探していたところ、少し前のアブガルシアのリール、REVO MGX-SHS-Lを見つけます。

同時にロッドも、軽量で使いやすいショートロッドのナジーチョイス59MHに変えて、MGXをあわせてみたところ、ロッドバランスもよく、本当に使いやすいタックルに仕上がりました。

また、スペック的にも、それまであまり気にしていなかった、ギア比、ハンドル一回転あたりの巻取り量、ハンドル長、ブレーキの形式、など、ナマズ釣りにあったリール選びのノウハウを、このMGXから学ぶことができました。

初めは仕方なく使い始めた左ハンドルのリールですが、今となっては他に代え難い道具になりました。また、MGXだけではなく、クラシカルなリールとはまた違った、現代的なリールならではの「かっこよさ」にも気づくことができました。

今まで右ハンドルしか使ったことがないという方にも、ぜひ一度、左ハンドルのリールを試してみることをおすすめします。

おすすめの現行リールはこちら

アトキ

幼少の頃から淡水を中心に様々な釣りを経験。現在は主にナマズ釣りを楽しんでいます。90年代からナマズをトップウォータールアーで狙っていた経験も活かし、お役に立てる情報を発信できたらと思っています。関東在住。趣味人ライター。

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