ナマズ釣りをする上で、最も大切なことの一つがポイント選びです。魚がいるところがだいたいでも分かれば、釣れる確率は格段に上がります。
ナマズは季節ごとにポイントを移動しながら生活している魚です。田んぼの米作りに合わせて変わっていく川や水路の水量と、ナマズの習性を知ることがポイントを探すコツです。
この記事では、河川の季節ごとの水位の変化と、それに合わせたナマズの移動について細かく解説しています。
産卵にともなって川を遡上し、冬には水深のある本流に戻っていく、川に生息するナマズの行動形態を知ることで、ナマズを上手に見つけて効率よく釣るためのメソッドを紹介しています。
ナマズはポイントを移動する魚

ナマズは移動しながら暮らしている魚です。効率よくナマズを釣るためには、今どこにナマズがいるのかを探し出すことがとても重要です。
ナマズは全国の河川や湖沼などに幅広く生息しています。大きな湖や池などにも生息していますが、トップウォータールアーでナマズ釣りを楽しむことに向いたフィールドといえば、中小の河川や用水路、排水路などがメインのポイントになります。
なぜなら、ナマズがトップウォータールアーにアクティブに反応してくる水深は、せいぜい1メートルくらいまでだからです(夜はもっと水深があってもトップに反応することがあります)。
水深が浅く(できれば50cm以下)、ナマズの個体数が多い、小さめの河川や用水路、排水路などを探し出す必要があります。
さらに、周辺に田んぼがあるポイントを見つけられれば、より、ナマズがいる確率は上がります。
田んぼの動きと連動している

春になると、多くの場所で、田植えに合わせて田んぼに水を入れるために周辺の河川の水門を閉じます。そうすることで川の水位を上げ、田んぼの周りの用水路を通じて田んぼへ水を送ります。
それと同時に、必要以上の水を田んぼから排水するために、排水路を使って水門の下流の水位が低い場所に水を排出します。結論から言うと、このような条件の排水路にナマズが一番多く集まっています。
もちろん、水門の上流側に水を排出している水路にもナマズは生息しています。つまり、田んぼの周辺などから、本流に直接流れ込んでいる小さめの川や排水路が一番のポイントになります。
探し方のコツは、上流部から考えるのではなく、下流側から考えて、ナマズが無理なく川を登って行ける範囲で、一番快適と思われる場所にナマズが集まっているということを頭において川を見てみることです。
ちなみに、用水路とは田んぼより水位が高い水路のことをいい、排水路とは田んぼより水位が低い水路のことを指します。田んぼより水位が低い水路を見つけたら必ず竿を出してみましょう!
産卵のため大きな河川から小さな水路のポイントへ

ナマズは、春になると川を遡上して、水深の浅い小河川や田んぼの周りの水路などで産卵をします。春になって水温が上がり始めると、それまで比較的大きな河川などに点在していたナマズが、小さな水路に一斉に集まってきます。
そのため、ナマズの個体数や密度も高くなり、さらに、産卵に備えてあら食いをしているため、最も釣れる確率が高くなるタイミングでもあります。
川幅が2~3mの水路などはもちろん、幅が50センチほどの溝のようなところにまでナマズは上がってきます。条件の良いポイントを見つけられれば、入れ食い状態になることもしばしばあります。
田んぼより水位が低い排水路があったら、とりあえず竿を出して調査をしていると、最高のポイントを見つけられます。
夏場は高温を避けて暮らしている

産卵を終えたナマズは本流に戻る魚もいますが、多くの魚がそのまま小さな排水路などに残って暮らしている印象があります。おそらくベイト(えさ)が取りやすいためだと思います。
基本的に、秋が来て河川の水門が開き、用水路や排水路の水がなくなってしまうまで、同じポイントで釣りを楽しむことができます。
ただ、梅雨を過ぎて夏の日差しが強くなり、水温が上がりすぎると、水深が浅い小さな水路から、もう少し水深があり、比較的水温が上がりにくい小河川に集まりだします。
真夏のあいだは、ある程度流れがあり、水深もやや深めの小さめの川で、日陰になる部分が多い場所などに隠れていることが多いです。
ただ、ナイトゲームでは、いろいろな場所をベイトをもとめて徘徊しているので、思わぬところでルアーに反応したりすることがあります。
水門が開くと大きな河川のポイントに戻っていく

秋になって大きな河川の水門が開くと、それまで田んぼに水を送っていた用水路や排水路から水が一気になくなります。
その流れに乗って、ナマズも大きめな河川に戻っていきます。中には、水量が減りすぎてしまい、川まで戻る途中の水路に取り残されてしまう固体もいます。
秋から春のあいだは、比較的水深がある水路などのポイントには、周辺の水路に取り残されたナマズが集まっているので、条件さえ良ければ春と同じように爆釣できることがあります。
また、私が住む関東地方の埼玉、茨城、千葉、神奈川などの一般的な用水路や排水路は、完全に水がなくなってしまうため、釣りをすることがまったくできません。
秋から春のあいだのナマズ釣りのポイントは、基本的に大きめの河川を中心に狙うことになります。
まとめ

ナマズ釣りで最も大切な要素はポイント選びだと思います。細かなルアーの違いや、釣り方の違いなどよりも、一番初めに考えるべき事だと思います。
逆に言うと、ナマズがいるポイントさえわかれば、ナマズ釣りはそれほど難しい釣りではありません。
とにかく、今ナマズたちがどこにいるのか、刻刻と変わっていくナマズの居場所を探していくのが、ナマズ釣りの大きな楽しみの1つでもあります。
また、季節ごとの河川の大きな変化以外では、「雨」が重要な要素になってきます。
小さな水路などにいるナマズは、釣り人のプレッシャーなどですぐにスレてしまいますが、雨が降り、水位が上がって、流されていく魚と遡上する魚が入れ替わることで、またフレッシュな状態に戻ります。
雨がやんだら(降っていても)、タックルを持ってフィールドへ出かけてみましょう。
また、それ以外の具体的な居場所の見つけ方については、こちらの記事も参考にしてみてください。より詳細に、ナマズが潜んでいる場所について解説しています。